今から着工予定しているお客様の確認申請前に必ず解決しなければならない問題の一つで、接道があります。
建築基準法では、都市計画区域内にて建築物を建てる場合4m道路に敷地が2m以上接道しなければ建築ができないことはご存知の方も多いと思いますが、前面道路が4mない場合は敷地のセットバックが必要になります。そこで、将来道路として拡張する為セットバックをした土地を管轄の市へ寄付するか、寄付しないか。という選択ができるのですが、普通に考えると“セットバックをした土地には何も工作物を作ることができない上、土地の税金も減る為、寄付しても…。”という風に思いますが、区画整理がなされていない地域は、実は測量図というものがない場合が多く、また“字図”(土地の形状や、周辺の土地を図示した図面)が現状と整合していない場合があります。近年、土地の形や大きさを示すポイントは、座標で登記されますので、図面に落とすことも簡単ですし境界がはっきりしていますが、昔は機械などはなく、すべて手作業で計測したり、図面を記載したりしていました。(今でも人がパソコンや機械を使って計測したり、作図したりしますが)
長々と難しい文面が続いてしまいましたが、現地はこのような状況です。
プライバシーの為、地番は消しておりますが、上記図面の通り、字図は土地の形状を図示したもので、“水”と書かれてあるものが、水脈や水路があるところです。“ワ”や“ヲ”など、カタカナがふってある箇所にも地番があったり、別の用途であったりします。そして、上記の図で何も記載されていない箇所が“道”つまり道路です。上記の図は上方向が北を指した図面で登記されていますが、実際の現況はこの図全体の方位が約90度回転してあります…(‘Д’)=ヨ!!
そし、一つ問題は、隣地との間になぜか“道”があるんです…。(現況は、隣地とはCBで境界を明示してあり、道はありません…)しかも、この道は、別の道まで続いており、つながっているであろう道までどこを見ても同様に道らしきものはありません。つまり、このままセットバック部を市に寄付するとなると、もちろん計測しますので、周辺を計測しますし、現況の字図を修正させようとしますが、その際立場上、“道”の所有権を市が主張せざるおえなくなるわけです。そうなると、現況ではない“道”の土地だけ面積が少なくなることと、不要な道を作らなければなくなり、それこそとてもややこしくなります。この誤差の経緯をたどってもなかなか解決するまでに莫大な労力と費用がかかり、その結果関係している方は誰も徳をしない状況になります…。
このように現況と字図が異なる場合はまず専門家に相談します。”土地家屋調査士”という、名前の通り土地や建物の登記に関するお仕事を専門で行っている方がおられますが、私たちはお客様より新築のご相談を頂いた際、現況と字図との整合性が取れない場合や、字図に不明な点があった場合は一度専門家に相談して問題を解決してから着工します。
というのも、建物を新築する場合は基本的に“確認申請”を申請し許可を受けなければ建物を建てることはできません。(都市計画区域外での住宅や、都市計画区域内での10㎡以内の増改築に関しては不要です)
つまり建物を建てるにあたり、様々なことをクリアしなければ建物を建てる許可が下りませんが、クリア条件の一つに“道路”があります。建物を建てる敷地に接道している前面道路が実測すると4mあるけれど、市の土木課に記録されている道路幅員は、4m未満であった。ということもしばしばございます。そうした問題をクリアして許可を受けますが、将来ご家族等に相続する場合、クリアできる問題は一つでも多くクリアしておく事がよいかと思います!
今回、土地に関する少し難しい例題でした♪